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●妻、嫁、奥さん、家内、カミさんの適した使い方
 
大東文化大学 准教授 山口謠司によると
日本最古の歴史書 古事記に
“私の名はアシナヅチといい、妻の名はテナヅチという”と記されている
奈良時代には、婚姻制度はなかったので
当時は親に認められ共に生活する女性のことを妻と呼んでいた
明治時代になると現在の婚姻制度が確立
結婚する女性のことを正式に妻と呼ぶようになった
 
1257年頃、鎌倉時代に書かれた名語記に、
”子息が妻をよめとなつく”と記されている
意味は、息子の妻を嫁と名付ける
この頃から男性の両親が、息子の妻のことを嫁と呼んでいた
息子と一緒に住むようになった女性のことを
男性の両親が近所の人に「良い女が来てくれた」と言っていた
当時「女」は「メ」と発音していた
「良い女」の「よいめ」が省略されて「よめ」となった
嫁は息子の妻という意味
 
平安時代、身分の高い貴族は、妻以外に
食事など身の回りの世話をする女性を屋敷に住まわせていた
その使用人の女性が住んでいる部屋を「女房」と呼んでいた
いつしか使用人の女性のことも女房と呼ぶようになった
女房は、使用人の女性という意味
 
1562年、室町時代に書かれた北条幻庵覚書に
“きんねんざとうと申せば いづれも おくがたへ参候”と記されている
おくがたは、奥の方の部屋を表す言葉
室町時代、身分の高い屋敷の主は、妻を屋敷の奥の方に住まわせていた
奥に住む主の妻を、敬意を込めて「奥方」と呼ぶようになった
その後、奥方が変化し、奥様、奥さんと呼ぶようになった
奥さんとは、奥の方の部屋にする他人の妻のことを指す
 
明治時代、日本に会社制度が誕生
男性は家の外に出て会社で働き、
女性は専業主婦として家の中を守るという家族が増えた
家の外で働く男性が、妻を家の中にいる人という意味で「家内」と呼ぶようになった
家内は、家の中という意味
 
カミさんは、目上の人を表す「上様」が変化した言葉
カミさんは自分よりも偉い人を指す言葉
 
ちなみに現代で女房は、自分の妻を謙遜して使う言葉

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