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●元警視庁捜査一課:鈴木公一が語る3億円事件
事件が起きたその日、
殺人事件担当だった元警視庁捜査一課:鈴木公一も緊急出動した
1968年12月10日午後1時30分(事件発生から4時間後)
府中警察署に特別捜査本部設置
3億円の重さを体で感じるため同じ形の
ジュラルミンケースが捜査本部に運び込まれた
ジュラルミンケース1個の重さは29.4キロ、それが3ケース
冬のボーナス4523人分の茶封筒が3つのケースに分けられ詰め込まれていた
正確な金額は2億9437万5500円
 
●犯人が残した遺留品は全部で153点
白バイに見せかけたオートバイは青いバイクに塗装を施したもの
後部座席の書類入れは、クッキーの空き缶
サイレンスピーカーは運動会などで使うトランジスタメガホン
赤色灯は市販されていたストップランプ
 
●捜査員がまとめた不良少年のリスト
グループごとに拠点となる地名がつけられていた
福生署管内 赤線を中心とする非行少年グループ、新宿紀の国屋2期生…
中でも3億円事件と同じ手口の事件を起こしたグループが立川窃盗グループ
1968年3月3日、客を装った若い男が
ダイナマイトに見せかけた発煙筒で店員を威嚇し、
従業員が怯んだ隙に12万円(現在の価値で80万円ほど)を奪った「いなげや事件」
鈴木公一は徹底的にこの立川窃盗グループを洗うべきと主張
立川窃盗グループは三角窓を壊して車を盗む
3億円事件で使われた盗難車も同じ手口で盗まれていた
 
●立川窃盗グループの実態
仕事している者は少なく、恐喝、泥棒、親のすねかじりで生きていた
少年は立川窃盗グループのリーダー的存在
3億円事件の3か月前、青梅のボーリング場での恐喝事件で逮捕
鑑別所から荒川の保護施設に移送中 脱走し、その後 行方不明となっていた
12月16日午前2時ごろ、少年は自殺した
 
●2度に渡る少年の面通し
鈴木公一には知らされず、上司の指示により
犯人の顔を見た日本信託銀行員が
監察医に変装し少年の面通しを家族に悟られないよう行った
少年の顔を見た銀行員は小さくOKサインを出した
さらに鈴木公一も銀行員4人を伴い
家族に知られないように通夜客に交じり面通しを行った
痩せ具合が良く似ている95%、
口から鼻が似ている80%、眉の生え際が似ている90%…など
 
●立川グループと少年の足取り
11月30日夕方6時ごろ、少年は
福生のバー「あんず」を訪れ、一旦いなくなり深夜2時ごろ再び戻っている
この空白の8時間、少年はグループの誰とも接触していない
この空白の時間帯に事件に使用された車が盗難されている
12月3日~6日までの間は立川グループの仲間と遊んでいた
しかし事件の12月10日と前日の9日だけ少年の足取りはつかめていない
12月11日、福生のバー「あんず」で豚足を食べていた
「スナックをやりたい。金は家に頼んで出してもらう。名義は母親にして…20歳くら
いまで逃げるだけ逃げて、自首すれば刑事処分を受けて執行猶予で出る」と仲間に語っ
ている
12月14日21時過ぎ、少年は馴染みの喫茶店に顔を出している
 
●少年の父と面会
鈴木公一は少年の父と面会した
「なぜ少年は死ななければならなかったのか?」
「あの日、何が起きたのか?」など問うた
しかし少年の父はずっと押し黙ったまま
 
●立川グループの溜まり場 福生のバー「あんず」
マスターのF氏は立川グループの中で兄貴分として慕われていた
F氏は事件後 福生から姿を消し、フィリピンに渡り、クラブを経営し成功していた
 
●事件後、金持ちになったY氏
事件前夜、新宿の男性の家に泊まった、と少年のアリバイを証言したY氏
事件から数年後、新宿を離れ、Y氏が購入した港区の高級マンション
そして新宿の高級マンション、ハワイのコンドミニアムも次々と購入している
Y氏を知る人物によると
「今思うとあれだけのマンションをどうやって買ったのか不思議だった」
 
●Y氏の証言
1968年11月上旬、新宿にあった24時間営業の喫茶店:シローで少年と出会った
少年は「お腹が減ってるんだ」と言ったので、
アパートでご飯を一緒に食べ、そのまま泊めて揚げた
それ以来、何度か家に泊めてあげたことがあった
3億円事件から1週間ぐらい経ったころ、少年の母親が訪ねてきた
玄関先で「あなたのせいで息子がこんな事になった」と怒っていた
母親は「息子の荷物が置いてあるなら持って帰りたい」と言ったので
以前、少年が入れて持ってきていたズボンやシャツを母親に返した
母親の話で初めて少年の死を知った
少年は父親にすごく反発しているようだった
当時悪心塾は大学生が暴れていた
歌舞伎町では、みんなお金を稼ぐのに必死だった
マンションを買って売って、その差額でプラスになった事もあった
Y氏は新宿を離れて以来、仕事は何もしていないという

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