年末の第九が、日本で定着したワケ

年末になると日本各地で盛んに演奏されるベートーヴェンの第九だが、
●第九は、決して年末の歌ではない
年末に頻繁に演奏されるのは、日本だけ
海外では、自由と平和の象徴として時期は関係なく
記念行事などの特別な機会に演奏されることが多い
 
1985年6月のEU首脳会議で第九の一部分がEUの歌として承認され、
EUの公式行事にでも演奏されている
1964年10月の東京オリンピックでは、
当時分裂状態だった東西ドイツ合同チームで参加した時、
表彰式で国歌の代わりに第九が使われた
 
第九は、ベートーヴェンの9番目で最後の交響曲
正式がタイトルは、交響曲第9番 ニ短調 作品125 合唱付
ベートーヴェンは、20代後半から耳が聞こえづらくなり、
40歳を過ぎたころには、ほぼ耳が聞こえなくなった
第九を作曲したのは、54歳の時
第九は、耳が全く聞こえない状態で作曲された
 
●大ヒットした第九は、常識を覆す曲
そもそも交響曲は、オーケストラのための音楽で楽器だけで演奏される
しかし第九は、4人の独唱者と合唱団が入っていて、当時の交響曲では異例
さらに交響曲の演奏時間は通常30分程度だが、第九は約70分で異例の長さ
 
●第九=歓喜の歌ではない
第九は、第1楽章から第4楽章まであるが、
第1楽章から第3楽章まではオーケストラ演奏だけ
歓喜の歌は、よく耳にする第4楽章のこと
歓喜の歌の歌詞は、ドイツの詩人シラーの「歓喜に寄せて」の一部を抜粋して並び変えたもの
その内容は、社会の不平等や争いをなくして、全ての人々が平等で自由な世界を
自由、平等、博愛の精神がうたわれている
その冒頭の歌詞は、ベートーヴェンの自作
第1楽章から第3楽章は、なかったことにして、
これから始まる第4楽章こそが本当に伝えたいことだと歌っている
第1楽章から第3楽章は、長いフリ
 
●年末の第九が、日本で定着したワケ
1940年の大晦日、NHK交響楽団の指揮者ローゼンシュトックが、
ラジオで全国放送したのがきっかけで、年末の第九が急速に広まった
 
●CDと第九
CD開発当時、60分記録できる直径11.5㎝、
74分記録できる直径12㎝で意見が分かれていた
そこで演奏時間が約70分の第九が1枚のディスクに記録できたほうが良い
という理由で、約74分記録できる直径12㎝のCDに規格が決まった

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