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興福寺にある国宝 阿修羅像
一般的な阿修羅像は、鬼のような勇ましい顔だが、
興福寺の阿修羅像は、3面とも少年のような優しい顔
2009年、奈良大学の今津教授が阿修羅像のCTスキャンを行った
すると今の顔の下に全く違う顔があることが分かった
それは少年のような顔ではなく眉も目も吊り上がった厳しい表情
調査の結果、今の顔に変えられたのは、完成直前
 
●完成直前に顔を変えられた国宝 阿修羅像
そもそも阿修羅像は、第45代 聖武天皇の妻 光明皇后が、
亡くなった母親の供養のために仏師に依頼したモノ
 
続日本記によると、727年、光明皇后は、待望の男子 基王を授かる
本来なら成人でないと皇太子になれないところ、
基王は特別に生後33日で皇太子に即位
しかし基王は、1歳を待たずに亡くなってしまった
その6年後に造られたのが、優しい顔の阿修羅像
最愛の息子に会いたい、その想いが、
6歳に成長した息子に似せて造ったのではないかと考えられている
 
●阿修羅像の体重は、15㎏しかない
土で塗った像に布を張り、漆で塗り固める脱活乾漆技法
布が固まった後に土を抜き取るため軽くなる
この技法で造られたため、何度も火事に襲われても持ち運ぶことができた

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