童謡」タグアーカイブ

♪母さん お肩を叩きましょう タントン タントン タントントン
1923年に発表された童謡「肩たたき」
リズミカルな繰り返しで楽しい歌だが、2番の歌詞は
♪母さん 白髪がありすね タントン タントン タントントン
「白髪がありますね」に作詞家:西條八十の悲しくも切ない思いが込められている
 
作詞家:西條八十の実家は、代々続いたお金持ち
しかし大正3年、八十の兄が実家から勝手に金品を持ち出し、芸者と失踪
親に迷惑をかける兄に腹を立てた八十は、短刀を手に殺害を企てる
だが兄を殺すことはできず、仕方なく八十が一人で家計を支えるが、
収入が安定せず、生活は苦しくなるばかり
そんな折、母親が緑内障を患い、失明した
苦労と心労の絶えない母の頭にいつしか白髪が生えくるように
自分ら子供が母に苦労をかけ、白髪を増やしてしまった、
そんな反省の気持ちが込められているという
 
童謡「肩たたき」が完成したその年、八十の2人目の娘が4歳で急死
亡くなった娘は、童謡「肩たたき」を歌うのが大好きだった

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♪シャボン玉とんだ 屋根までとんだ 屋根までとんでこわれて消えた
 
●童謡「シャボン玉」のシャボン玉は、子供の命の例え
 
作詞家:野口雨情が、「シャボン玉」を発表したのは、大正11年
当時、医学が進んでいなかったため子供を亡くす親は多かった
 
野口雨情自身も、最初の女児は生後8日目で他界
再婚した妻との間に授かった女の子も2歳で他界
後に生まれた男の子も1歳で亡くしている
 
子どもが生まれて感じた喜びが、あっけなく消えてしまう
シャボン玉は、当時の子供の死亡率の高さを嘆いた歌

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♪しょうしょう証城寺 証城寺の庭は つつ月夜だ みんな出てこいこいこい おいらのともだちゃ ぽんぽこぽんのぽん
 
作詞は、♪赤い靴を書いた野口雨情
作曲は、♪てるてる坊主を手掛けた中山晋平
 
●童謡「証城寺の狸囃子」のその後
同様のモデルとなった寺は、千葉県木更津市に実在する証城寺
昔、この寺には三味線を奏でる音楽が好きな和尚さんが住んでいた
ある晩、和尚さんが目を覚ますと庭の方からお囃子が聞こえてくる
庭にいたのは、大小100匹を超える狸
腹鼓を打ち、みな楽しそうに踊っている
それを見た和尚さんは、思わず輪の中に入って三味線を弾いた
こうして100匹を超える狸と和尚さんのお囃子が夜ごと続いた
4日目の晩、なぜか狸たちのお囃子が聞こえてこない
翌朝、寺の周りを調べてみると親タヌキの死骸があった
腹を叩きすぎたため、腹の皮が破れ、絶命していた
その後、和尚は親狸を哀れに思い、亡骸を手厚く葬った

(236)

●童謡 手のひらを太陽にの歌詞を書いたのは、やなせたかし
まだアンパンマンが誕生する前
この歌詞を書いた1961年、やなせたかしは漫画家として行き詰っていた
すでに漫画家だったが、漫画の仕事はほとんど無く、
テレビの作家や雑誌のインタビュアーなどをこなしていた
当時書いていたのは、主に4コマ漫画
時代は長編のストリー性のある漫画に移行していた
やなせは、自分の漫画に行き詰まりを感じていた
 
そんなある日、冷たくなった手に懐中電灯を当てると
手が光に透けて赤く見えるのに気づく
自分に元気なくても血は元気に流れているんだなぁ…
 
そして誕生したのが、
♪手のひらを太陽に 透かしてみれば 真っ赤に流れる 僕の血潮
発表から4年後、1965年 小学6年生の音楽の教科書に掲載された
 
●童謡 手のひらを太陽には、やなせたかしが自分自身を励ますために作られた歌

(564)

童謡 赤い靴
♪赤い靴 はいていた 女の子 異人さんに つれられて いっちゃった
●童謡 赤い靴は実在の女の子をモデルに書かれた歌
 
モデルとなった岩崎きみちゃんは、
3歳の時にアメリカ人宣教師の養子に出された
その話をきみの母親から聞いた作詞家 野口雨情は、
アメリカで暮らしているきみをイメージして赤い靴を書いた
しかし岩崎きみちゃんはアメリカには行っていなかった
 
実は きみちゃんは、当時 不治の病と言われていた結核に侵された
そのため長い船旅には耐えられないと判断した宣教師夫婦は、
きみを麻布十番にあった児童養護施設に預けた
その後、きみは9歳で亡くなった

(204)

童謡 赤とんぼ
♪夕焼け小やけの赤とんぼ 追われてみたのは いつの日か
岡崎女子大学:上田信道によると
●童謡 赤とんぼは、作詞家の悲しい実体験に基づかれて書かれた
作詞家:三木露風は、5歳の時に両親が離婚し、
子守のお手伝いさんに育てられた
「追われて」=「背負って」くれた人は、
母ではなく子守のお手伝いさんのこと
3番の♪15で姐やは 嫁に行き お里のたよりも 絶えはてた
姐やは、育ててくれた子守のお手伝いさんのこと
15で嫁に行き、連絡が取れなくなったという悲しい歌
 
●童謡 赤とんぼの夕焼け小やけの「小やけ」には特に意味がない
曲のリズムをとるためにつけられた言葉
他にも童謡おうまの
♪おうまのおやこは なかよしこよしの「こよし」も意味がない

(280)

●童謡ぞうさんの♪ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのねは、人間の子供の悪口
 
子供が子ゾウに話しかけている微笑ましい様子を思いがちだが、
 
作詞家:まど・みちおによると、
子ゾウが人間の子供に鼻が長いねと悪口を言われている様子
 
子ゾウは鼻が長いことに引け目を感じるどころか、
大好きな母さんも長いと鼻が長いことを誇りに思っている
 
ゾウがゾウであることに誇りを持ち
生きていることをテーマにしている

(249)

童謡「春の小川」のモデルとなったのは、
渋谷の地下を流れる渋谷川の支流、河骨川
代々木八幡の駅の付近に碑がたっている
 
今、日本人が日本語を話せるのは、「春の小川」のおかげ
●日本の英語化計画を食い止めた「春の小川」
江戸時代、300もの藩があり、
それぞれ独自の方言を持っていた
明治時代、廃藩置県で藩の垣根がなくなったが、
まだ日本語には標準語がなく、
日本人同士でも会話が成立しなかった
薩摩弁の大山巌と会津弁の捨松の夫婦生活は、
お互いの言葉が通じず、会話は英語で行われていたという
いっそのこと日本を英語で統一しよう、という話が上がるほど
 
童謡「春の小川」は方言を無くし、
標準語を広めるために作成された歌
 
「春の小川」には、サ行が多用されている
方言の多くは、「さしすせそ」と言えずに
「しゃししゅしぇしょ」と言う
サ行が言えない人を「春の小川」が標準語に矯正し、
日本の英語化計画を食い止めた

(865)

♪せっせせーのよいよいよい アルプス一万尺
♪コヤリの上で アルペン踊りを さあ踊りましょう
 
●童謡「アルプス一万尺」のコヤリとは?
 
日本山岳協会:八木原國明によると
童謡「アルプス一万尺」のアルプスは、日本の槍ケ岳のこと
山の標高は、3180m
1尺=約30.3㎝なので1万尺は、約3030mのこと
 
槍ヶ岳の山頂部分は、尖っている槍に似ていることから大槍と呼ばれている
その少し手前の尖った部分を小槍と呼ばれている
 
コヤリは、断崖絶壁の超危険な場所
間違いなくアルペン踊りは、踊れない
 
この曲は、元々古いアメリカ民謡で独立戦争の時にも歌われた曲
日本に伝わったのち、登山家たちが冗談で替え歌にしたモノが
童謡「アルプス一万尺」として世に広まった
 
良く歌われる歌詞は1番で、29番まで存在する

(297)

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